未来を彩るテクノロジーを研究する事業「夢と希望で溢れる未来を!テクノロジーと共に歩む名古屋の
まち」
■場所
【第1回】名古屋市中川児童館(第1会場)、名古屋市前津児童館(第2会場)、名古屋市港児童館(第
3会場)、名古屋市白金児童館(第4会場)、名古屋市中村児童館(第5会場)、汐路第二学
童保育所(第6会場)
【第2回】名古屋工業大学 NITech Hall
【第3回】名古屋工業大学 NITech Hall
【第4回】名古屋テレビ塔・もちの木広場
■日程
【第1回】2017年7月25日(火)10:00~11:30(第1・2・3会場)
13:30~15:00(第4・5会場)
14:30~16:00(第6会場)
【第2回】2017年8月02日(水)13:30~15:15
【第3回】2017年8月02日(水)15:30~17:00
【第4回】2017年9月10日(日)14:00~19:30
世の中には我々が子供の頃には想像さえできなかったテクノロ
ジーが溢れ、生活様式を大きく変化させているが、テクノロジー
を悪用する事例も散見され、活用する人の道徳観や倫理観が問わ
れている。そこで、テクノロジーの可能性を実感すると共に、テ
クノロジーの使い手として必要な道徳観・倫理観を身につける機
会とするべく本事業を実施した。
第1部では、リニアモーターカー製作体験を踏まえ、名古屋の
まちに敷設が予定されるリニア中央新幹線のもたらし得る弊害等
を検討し、第2・3部では、レスキューロボ・先端テクノロジー
等の操作体験を通じてテクノロジーの可能性を実感すると共に、
グループディスカッションを通じてテクノロジーの目的や弊害等
について考えを深めた。そして、第4部では、名古屋テレビ塔の
電飾操作体験など、不可能と思えることであっても、テクノロジ
ーの活用によって実現できることを体感した。
【第1部】「オリジナルリニアを走らせよう!リニアを通してみる名古屋の未来」テクノロジーを知る入門講座
≪概要≫
(1)ステップ1「リニアの仕組みを知ろう&オリジナルリニアを製作しよう!」
漠然としか理解されていないリニア技術について、スライドと磁石を利用しながらその原理を説明しました。原理を理解したことを前提に、子供たちには、スポンジを加工した「車体」に自身が描いた外装を組み合わせて「リニアモーターカー」を製作してもらい、子供たちが製作したレールで試運転を実施しました。
(2)ステップ2「名古屋にリニアがやってくる!リニアによって名古屋はこうなる!」
リニア技術によって名古屋に住む人々にとって新たにどのようなことが可能となるのかを考えてもらいつつ、その具体例として、名古屋から東京への通勤・通学が可能となることを紹介し、テクノロジーの可能性を実感してもらいました。
(3)ステップ3「リニアって良いことだらけ?悪いことはないのかな?」
名古屋を一変させる可能性のあるリニア中央新幹線ですが、その建設にあたって生じる弊害(工事に伴う環境破壊・電磁波問題・大量の電気の消費)について紹介し、テクノロジーには良い面と悪い面の両方があることを学習してもらいました。
【第2部】「先端テクノロジーの今」 テクノロジーを見て・触って体験する基礎講座
≪概要≫
(1)前半
ロボカップジャパンオープン2014(全国大会)レスキューロボット部門で準優勝され、今年開催されたロボカップ2017名古屋世界大会レスキューロボット部門にも出場された名古屋工業大学森田・佐藤研究室のレスキューロボットチームNITRoを率いる佐藤徳孝氏より、ロボカップのエピソードを踏まえて、ロボット技術の発展について講義をいただきました。また、子供たちには同研究にて開発されたロボットの操作を体験してもらいました。
(2)後半
名古屋工業大学田中由浩氏より、「感覚テクノロジー」をテーマとして、未だ解明されないことの多い「触覚」が、既存の製品に新たな価値を与え、生活の質を向上させる今後注目のテクノロジーであるということについて、講義をしていただきました。子供たちには、感覚テクノロジーを利用した機材を手に取って体感してもらいました。
【第3部】「テクノロジーって何のためにある?」 テクノロジーを理解し利用する応用講座
≪概要≫
(1)前半
講師の本田隆行氏に「自動運転自動車」「3Dプリンター」「AIを搭載したロボット」「LINE等のSNS」「原発」の5つのテクノロジーを題材として、各テクノロジーの仕組みや活用分野、現在の研究状況などを紹介していただきました。参加者には、紹介したテクノロジーを利用した製品等の利用体験をしてもらい、各テクノロジーへの理解を深めてもらいました。その後、参加者を交えて以下の①から⑤の視点でグループディスカッションを行い、それぞれの意見をまとめてもらいました。グループディスカッション終了後、グループディスカッションの結果を踏まえ、講師と参加者とで双方向の議論を行い、テクノロジーを利用する上での道徳観・倫理観を学習しました。
①テクノロジーはどのような目的で開発されたのか(歴史的な側面)
②テクノロジーがどのような分野で活用されているのか(プラスの側面)
③テクノロジーがもたらす弊害はどのようなものか(マイナスの側面)
④社会にとってマイナスとなるテクノロジーの活用はどのようなものか(マイナスの側面の具体的イメージ)
⑤弊害を防止するためにあるべき心構えはどのようなものか(対策の側面)
(2)後半
参加者に、テレビ塔を名古屋のシンボルとして一層輝かせる色彩をデザインしていただきました。具体的には、テレビ塔に設置されている①中央のLEDライトの帯、②その側面に設置されている折線状のライト、③ライトアップ用のサブライトの3つの照明機器について、それぞれの色彩と点灯順をテーマにしたがって考えていただきました。ここでデザインをした色彩については、デザイナーの監修を受けた上で、第4部のテレビ塔点灯式において上映しています。なお、色彩を考える際には塗り絵を利用しますが、実際の上映にはIoTを利用することから、IoTでテレビ塔の色彩を変える仕組みを学習してもらいました。
【第4部】「未来を彩るテクノロジー体験&自分だけのテレビ塔発表会!!」 テクノロジーを利用する実践講座
≪概要≫
(1)前半
最先端テクノロジーの体験ブースを設置し、各ブースを巡っていただきました。設置したブースは以下のとおりです。なお、参加者が第1部から第3部の参加者に限定されないため、各ブースにおいて、最先端テクノロジーは何のためにあるのか、生活やまちづくりにどう利用できるかを説明することで単なる体験とならないよう工夫しました。
①第1ブース「AI作曲体験」
参加者には、音楽データを2曲選曲いただいて、この2曲を元にAIを利用した簡単な作曲を体験していただきました。
②第2ブース「名古屋のまちを空から眺めてみよう」
360度撮影が可能なカメラを利用して撮影した動画を、専用アプリをダウンロードしたスマートフォンを利用して360度の風景を見ることができるようにし、まるで空を飛んでいるかのような体験をしていただきました。
③第3ブース「地球を飛び出る?“宇宙”な未来!」
国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクトが作成したシミュレーションソフト「Mitaka」を用いて、地球を飛び出して宇宙旅行を疑似体験していただきました。
④第4ブース「リニアモーターカーを製作しよう!」
第1部で実施したのと同様にリニアモーターカーを製作していただきました。
⑤第5ブース「ロボカップ出場ロボットを見てみよう!」
ロボカップジュニアジャパンオープン2017(全国大会)で優勝し、ロボカップ2017名古屋世界大会にも出場される「Team Takahama Robots」にロボカップ2017に出場したロボットをご披露いただくと共に、2017年を含めた活動実績をご披露いただきました。
⑥第6ブース「本当に大丈夫?テクノロジーの使い方」
第3部において実施されたテクノロジーを利用する上での道徳観・倫理観の学習について、その概略をまとめた簡易版講義を開催しました。本ブースには本田隆行氏を迎えて、可能な限り、双方向の講義としています。
(2)後半
第3部において子供たちにデザインしていただいた色彩をもとに、デザイナー監修のもと、IoTを駆使してテレビ塔の電飾を操作するアプリを製作していただき、同アプリの操作によってテレビ塔の色彩を操作できるようにしました。参加者には、IoTを駆使した同アプリを操作することで第3部においてデザインした色彩を、テレビ塔というキャンバスに描き出す体験をしてもらいました。
≪目的≫
テクノロジーに振り回されることなく、自らの生活やまちづくりにテクノロジーを活かす具体的なイメージを醸成します。
≪目的を達成した点≫
(1)「テレビ塔の点灯を喜んでもらえましたか」との質問に対し、96%の子供たちが「はい」と回答しており、テクノロジーを家族のために利用することを通して、子供たちにはテクノロジーを自らの生活に活かすイメージを一定程度醸成していただくことができました。
(2)「テクノロジーを生活やまちづくりにどのように活かしていくか具体的にイメージすることができましたか」との質問に対し、80%の保護者が「理解できた」と回答しており、保護者にはテクノロジーを生活やまちづくりに活かすイメージを醸成していただくことができました。
(3)「各ブースの体験を通じ、テクノロジーが何のためにあるのか理解できましたか」との質問に対し、保護者の80%が「理解できた」と回答しており、保護者にはテクノロジーの存在意義と、テクノロジーに振り回されることがないようにすべきということを、共に理解していただけました。